レーシックには保険金が適用されない


レーシックには保険金が適用されないブログ:20150118


私の家は1年中、
パパの知らない秘密でいっぱいだった。

お母さんとお姉さんと私は、
クリスマスも誕生日も雛祭りも、
ケーキを囲み歌を歌い写真を撮り、
イベントはきちんと三人で迎えてきた。

私とお母さんが、
また、お姉さんとお母さんが冷戦状態であっても、
パパが家族の出来事に
くちを挟むことは殆どなかった。

仕事やつき合いで
いつも午前様か単身赴任だった生活も、
ようやく落ち着いた頃には、
もうむすめ達は部活や試験や遊びに忙しい学生になっていて、
家族みんなで食卓を囲むこともあまりなくなっていた。

そして就職、独立、結婚…
ますます距離が離れてゆくむすめ達に、
これが一般的なパパとむすめのスタンスだと、
パパの方も割り切っていたのかもしれない。

「ちょっと具合が悪いらしいの」
お母さんから電話を受け実家に行くと、
パパは布団の中から出ようとしなかった…
相変わらずの病院嫌い。

必死の説得で、
やっとのことで病院へ行かせると即入院となり
「ご家族の方は覚悟を決めるように」
という厳しい言葉までいただいた。

姫路のお姉さんも呼び戻され、
お母さんは何度も
「好きに生きてきたんだから、いいよね」と言った。

入院した当初、私がお見舞いに行っても、
パパは全く起きあがる気配すら見せなかった。
病室を出た後は毎回、
これがパパの姿の見納めなのではと不安になった。

そんなパパが、
初めて私のムスコ達を病室に連れて入った瞬間、
電気のスイッチを入れたような輝きを放った。

パパは身体をゆっくりと起こし、
そして短く「おっ」と言った。

昔、新聞を読んでいるパパが顔をあげて、
私の運んだ晩酌のビールを見つけた時のあの顔だった。

息子達との穏やかな空気に包まれて、
何と幸せそうな様子だろう。
もちろん、それから私の見舞いは必ず「孫持参」となった。

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